ギターコレクション (6) YAMAHA SX-60 改造編
2016/09/11/19:28:24(Sun)
さて YAMAHA SX-60 ですが、手に入れてから本番のステージでは使用したことがありません。やはり、ピックアップのハウリング対策と、ボリュームの変化曲線を私の好みにして安心して使いたかったからです。
そこで、Z氏から頂戴したピックアップ レースセンサーと私のハードテイル・ストラトから外したレースセンサーをこのSX-60に移植してやることにしました。

上がZ氏よりのレースセンサー。
下がハードテイルより外したもの。
製造時期により、これだけ造りが違います。

上のZ氏より頂いたものはFENDER社との契約が切れた後のモノ。
ハードテイルより外したものは、かなり初期の生産品。
モチロンFENDER社との契約が生きていますから、ピックアップ天面に「Fender Lace Sensor」と入っています。
初期品はかなり黄変が進み、色味が違い過ぎる。

このままSX-60に搭載したのでは、とてもみっともない。
そこで、初期品にはサンドペーパーをかけて一皮むいてやることにしました。
さらに現行品にもエイジングを施して少し古びた感じにしてやりました。

この程度にまでもっていけば、それ程違和感は無いでしょう。
しかし、ここで一つ問題がある。
オリジナルの 「0056A」 ピックアップは、YAMAHAの独自開発品ですから、FFENDERのリプレイスメントパーツとして作られたレースセンサーとでは、取り付けネジのピッチが違うんです。
それに 「0056A」 は角型のカバーに包まれてましたから、エスカッションのピックアップ穴の形状も違う。
このままでは取り付け不可能なのです。
そこで、ネットで適合するシングルコイル用エスカッションを探してみましたが、どれも「帯に短し、たすきに長し」
しっくり来るモノが有りません。
そこで、
『無いモノは、自分で作る』
と言う、私の基本方針を発動。
ピックガードごと自作するか、あるいはボディに木ネジを使ったジカ付けと言う方法も考えたのですが、種々検討してみるとあまり良い結果になりそうもない。
んなワケで、エスカッションを自作することにしました。
素材はコレ。

なんちゅうたらイイのですかねぇ?
練り物の木みたいな材質なんです。
まずは、採寸。

オリジナルのフロント用エスカッションです。
オリジナルからの形取りに加え、精密なサイズを計り、対象素材に移していきます。

センター出しは慎重に。

下書き。

中をくり抜くために、ドリルで穴をあけテーパリーマや、木工やすりで広げます。

十分な道具も無いまま始めましたから4時間ほどかかって、やっと背の高いリアピックアップ用の大まかな形が出来ました。

しかし、このあたりで、かなり嫌に成ってます。
もう一個、しかも、やや背を低くしたモノを作るのは気力的にもかなりキビシイ。
ボディや、ピックアップに仮り組してみましたが、やはりどうも良くない。
進路変更をすることにします。
背の高さは稼げないが、収まりよく出来ると思われたのが、ストラトの使ってないピックガードから切り出す方法。

Pカッターで慎重に切り進めます。
結構、カッターが脱線して切りたくないところに刃が行っちゃったり、手を傷つけたりするんですよ。
大前提として、
「刃の進行方向には絶対に手を置かない」
と言うのは守っているつもりでも、ウッカリが発生してしまうことはありますからね、気を付けます。
もう少しだ。

上手に切り出し、サンドペーパーで切断面を滑らかにしてやりました。

左が今回自作したもの。
右がオリジナルのエスカッション。
ピックアップを仮り組してみました。

ボディ側のオリジナルキャビティは、一部レースセンサーが当たってしまう箇所があるので、彫刻刀で削ってやりました。。

少しネジ穴調整などして、ボディに組み付けてみました。

背の低いエスカッションになった為、ピックアップが大きく上に突出したような状態になっちゃいました。
こうなると、ピックガード面と弦が離れているので、1980年代のストラトに慣れた私は弾きにくい。
指乗せ台としてリッケンバッカーみたいな二階建てのピックガードを作ってやりましょう。
弦を仮り張りして、ピックアップとの位置関係や、ピックアップ取り付けスプリングなどの調整をしてから、一旦パーツ類を外します。
指板に私の好きなスキャロップド加工を施すためです。
FENDER系のネックが外せるものはイイのですが、セットネックタイプは、ギターごと抱えるようにして削らなければならないので、とても疲れます。

スキャロップド加工についての詳しいことは、当ブログで何度か紹介しているので、そっちも見てね。
加工を終えたローポジション付近。

ネックジョイント付近。

加工は上手くいったのですが、浅く埋めてある15、17、19ポジションのインレイが落っこちました。

これは、過去にストラトでも経験していたので、ある程度予想できたんですけど、ストラトよりも更に浅い下穴の彫り方のようです。
そこで、補修も兼ねたデコレーションにコレを使うことにしました。

Jockomo社が販売しているインレイ・ステッカーです。
こんな風にして貼ります。

透明なレタックシートに一度貼りつけてから希望の場所に持ってゆき、その後レタックシートの上から強く圧着してやります。
曲面に上手くなじむか、少し心配だったのですが結果は、しばらく時間が経ってからわかるでしょう。
こんなカンジに出来上がりました。


余ったので、ヘッドにもデコレーション。

次に、ピックガードを作ります。
素材は、厚さ1ミリの透明アクリル板。

ギターに合わせてやりながら、大体の形を下書きします。
エスカッションと同じように慎重に切り進めますが、緩やかな曲線で構成されているので、更に大変。
私は曲線定規を持ってないので、勘一発の勝負です。

こんな風になりましたが、曲線の一部に不自然なトコロがある。
やすりで仕上げていく過程で、コレを修正してやります。

オリジナルのピックガードから、少し浮かしてやる為に用意したスペーサー。
黒いワッシャー三枚と、筆の軸を高さ4ミリに切り取ってマジックで黒く塗ったモノ。
下にある台は、写真写りを良くするために白いモノを探していて見つけたクッキーの容器(笑)

ピックガードの留めネジ二点と共締めにしてやりました。
さあ、出来上がった。

8月15日にUPした吉野町【こびとさん】での演奏で、本番デビューしました。
生音は、ジャッキリしていてエッジの効いた音。
しかし歪ますと、ハウリングしやすいね。
その点では、「BILL LAURENCE」のL-250 の方に軍配が上がる。
ボリュームを絞ってゆくと、ハイ落ちが激しいので、このあと500KΩのAカーブに交換してやったんだが、あまり効果は無いみたい。
トーン・ポッドひとつには結線してないダミーの状態だから、コレを廃してハイパス・コンデンサーのON-OFFスイッチでもつけてやりますかな。
FENDERサイズのエスカッションを作ったので、これからはピックアップ換装のバリエーションも増えました。
「SEYMOUR DUNCAN」の SHR-1 HOT RAILS 旧型が一つ余ってるし、「BILL LAURENCE」のL-250 も引き続き探しているので、この先また変貌を遂げるかもしれません。
なお、インレイステッカーは今のトコロ無事ですが、表面のツヤ出しコーテイング被膜が一部はがれました。
でもこのほうが、カサカサした質感で、よりホンモノに近いような気もします。
今後、私の片腕となって働いてくれるでしょう。
comment
私の手持ちギターは、すべてスキャロップ化したいが、まぁベレノは無理か、工作機械が必要になる(笑)
次はフライングVをやるかな。
コメント、ありがとうございました。
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